ボーンチャイナは18世紀にイギリスで発明された磁器の一種です。星付きレストランで使われていたり、結婚祝いや内祝いに贈られたりすることもある高級品ですが、なぜそれほど価値があるのでしょうか?この記事では、ボーンチャイナの定義や特徴、普通の磁器との違いについて解説します。素材について知れば、ボーンチャイナ製食器を使うのがもっと楽しくなりますよ!
ボーンチャイナは、原料に骨灰(ボーンアッシュ)を含む磁器です。1748年にイギリスで初めて作られました。
現在は骨灰そのものではなく、リン酸カルシウムという化合物を混ぜて製造しています。このリン酸カルシウムを一定割合以上含む磁器が「ボーンチャイナ」と呼ばれます。日本工業規格(JIS)では、ボーンチャイナ製品のリン酸カルシウムの含有率は30%以上と定められています。
ちなみに、「チャイナ」は英語で「磁器」を意味します。磁器は中国に起源があるため、英語で「チャイナ」と呼ばれるようになりました。製品の箱や裏印に「Bone China」と書いてあっても、「中国製」の意味ではありませんので、混同しないようにしてくださいね。
18世紀にボーンチャイナが発明された当時は、牛の骨を焼いて灰にした「骨灰(ボーンアッシュ)」がボーンチャイナの原料として使われていました。現在では、ゼラチンなどを製造する際に副生成物として発生する ”骨燐”から作られる「リン酸カルシム」をボーンチャイナの製造に利用しています。
骨?!と聞くと怖く感じられるかもしれませんが、リン酸カルシウムは、歯磨き粉やサプリメント、ベーキングパウダーなどの主原料としても一般的に利用されている、安心・安全な原料です。
以上でボーンチャイナの定義や名前の由来をおわかりいただけたでしょうか。では次に、ボーンチャイナのどんな点が優れているのか、特徴をご説明します。
表面の色は、通常の磁器に見られる青みがかった白色ではなく、温かみのある乳白色をしています。鉄分が少ないリン酸カルシウムが原料に含まれていて、白さを際立たせる作用があるためです。ボーンチャイナの乳白色は紅茶を一番おいしく見せる色、と言われることもあります。
「透光性」とは光を透す性質のことです。ボーンチャイナ製のお皿を手に持って光にかざすと、お皿の裏側の手が透けて見えます。原料に含まれるリン酸カルシウムが、焼成後にガラス質を生成するためです。
結晶構造が緻密なボーンチャイナは、薄く成形してもワレ・カケに強い特性があります。薄さ・軽さと強度を兼ね備えているため、どんな場面でも扱いやすい素材です。
ボーンチャイナには、熔融点の低いフリット釉という釉薬が使われます。フリット釉は光の反射率が高く、表面に美しい光沢が生まれます。また、絵具が釉薬に溶け込みやすく、鮮やかに発色します。
このように、ボーンチャイナは見た目が美しい上に扱いやすいので、高く評価されています。普通の磁器との違いをまとめたのが次の表です。
ボーンチャイナにはさまざまな優れた特性がありますが、生産の難易度は高いことがわかります。ボーンチャイナが最高級の磁器と言われ、通常の磁器よりも価格帯が高いのはそのためです。
では、ボーンチャイナは実際にどのような場面で使われているのでしょうか?次に具体例をご紹介します。
ボーンチャイナは見た目の優美さから、高級ホテルやレストランにふさわしい食器として選ばれています。美しいだけではなく強度もあるため、一度に多くの食器が必要な宴会場など大規模な料飲施設でも使われています。
業務用食器には、積み重ねのしやすさや調理場からテーブルへの運びやすさなど、プロユースだからこそ求められる特性もあります。どんな食器が使われているのか気になった方は、NARUMIの業務用食器コレクションのページを見てみてくださいね。
飛行機のファーストクラスやビジネスクラスの機内食は、提供する食器にも高級感が求められます。スペースと重量が制限されている上、離着陸や気流の影響も受ける航空機内では、薄くても強度があるボーンチャイナが多く使われています。
ボーンチャイナは特別なおもてなしの食器として重宝され、結婚式の引出物や大切な人への贈り物にも選ばれてきました。でも、これほど優秀なボーンチャイナを年に数回の特別な時にしか使わないのはもったいないと思いませんか?来客用や贈答用だけではなく、普段の食事をワンランクアップさせたい時にも、上品な乳白色のボーンチャイナは大活躍します。NARUMIでは、電子レンジや食器洗浄機にも入れられて普段使いしやすいボーンチャイナ製食器を多数取り揃えています。ぜひチェックしてみてください。
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